北小浦
きたこうら貴重な自然や民族の宝庫
佐渡は、古来より物書きの心を引きつけて止まないところであったようですが、ここ北小浦も、文化人や研究者が多数訪れました。民俗学者柳田国男が書き上げた「北小浦民族誌」は、完成度の高い書物と言われています。北小浦には、鎮守の森のタブの木、与六郎ザクラ、美しい海とコブダイなど、知る人ぞ知る有名な宝が大切に残っています。
村を開いてくれた草分けの名主喜兵衛翁や役行者に思いを馳せ、今も碑に花を手向ける心を忘れない集落です。
- 総人口
- 40名
- 男性人口
- 18名
- 女性人口
- 22名
- 世帯数
- 19件
フォトギャラリー@北小浦
北小浦の自然・景観
県の天然記念物 熊野神社社叢(しゃそう)
熊野神社のタブの木は、「小浦の黒森」と呼ばれ、高さ20M、幹周り1~1.5Mもの巨木があって、自然林の形態を保つ社叢です。黒々とした森は、昔から航海の目標とされ、磯ネギの舟にはヤマアテの森となっています。
森は、エノキ、モチノキ、ケンポナシ、ツバキ、スギ、ヒノキが混じり、マダケの林も見られます。また、ツルアジサイ、ツタ、アケビ、隠花(いんか)植物、シダ類と佐渡では貴重な植相を見せる社叢です。
与六郎(よろくろう)ザクラ ~巨大な花冠~
自生のヤマザクラで、樹高25M,幹周り820㎝、6本の株立ちとなっています。この呼び名は、持ち主の屋号(やごう)によるものです、ヤマザクラは、佐渡が日本の北限地域といわれており、佐渡の北側においてこのサクラのような大樹は極めて珍しく、学術上貴重なものになっています。
佐渡市の天然記念物の桜に、肥料をまいたり下草刈りをしたするなどして、集落で大切に世話をしています。
北小浦を楽しむ!
ダイビングスポット「北小浦ダイビングセンター」
北小浦は毎年2000人を超えるダイバーが訪れる、全国的にも有名なダイビングエリアです。小中一緒の分校だった校舎を改装し、ダイバー施設として利用しています。 人気のコブダイ(老成魚・オス)は、多くのダイバーに接しているため人馴れしていて、ダイバーの間近まで近寄って来ます。 内海府地区の海は透明度が良く、海底は綺麗な砂地が多いので、南国の海のような綺麗さです。
ダイビングサービスF.WAVE(http://fwave.jp/)北小浦の歴史・文化
喜兵衛翁(きへいおう)の頌徳碑(しょうとくひ)
北小浦の開祖と呼ばれる喜兵衛翁の頌徳碑です。村を開いてくれた草分けの名主と讃えられています。集落の人は、先祖のお墓を参る前にこの頌徳碑に花を手向け、その功績を偲びます。共同墓地の入り口には、役行者(えんのぎょうじゃ)の石像もあります。
お盆の風習「灯篭」
その家で亡くなった方がいると霊が迷わず帰れるように、3年はこの灯篭を立てます。新盆の家では特に大きな灯篭が立てられます。近所の方と作り、1か月間立てておきます。竹で作られた灯篭の杉の葉がついている部分が頭。縄が巻き付いているのが胴体、そして横長に伸びる竹が腕、垂直に伸びる竹が足と人を形どっているそうです。
花々や折り紙などで飾られるほか、夜になると提灯なども灯されます。
柳田国男の世界を歩く 北小浦の民俗誌
この集落名を冠した有名な著書に、①柳田国男の世界 北小浦民族誌を読む(福田アジオ編)と②北小浦の民族 柳田国男の世界を歩く(福田アジオ編)があります。集落の歴史や生活の様子が記録された貴重な本となっています。
北小浦のお祭り情報
北小浦鬼太鼓
旧暦の9月12日に熊野神社の北小浦まつりがあり、鬼太鼓が、門付けに家々を回ります。集落には、太鼓の音が響き渡り、赤鬼と黒鬼が勇壮に舞います。